特別寄稿
薬物代謝からみた抗HIV薬の特徴
掲載誌
HIV感染症とAIDSの治療
Vol.14 No.1 88-93,
2023
著者名
矢倉 裕輝
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
感染症
診療科目
その他
媒体
HIV感染症とAIDSの治療
Key Words
薬物代謝酵素
/
薬物トランスポーター
/
薬物動態
/
薬物相互作用
/
抗HIV薬
抗HIV薬の薬物動態には,さまざまな薬物代謝酵素,薬物トランスポーターが関与しており,薬物相互作用も多様性を示す。また,これらには遺伝子多型が存在し,変異の保有状況が薬物動態の個体間変動の大きな要因となることもある。さらには加齢により薬物動態が変化していくうえで,代謝酵素活性の変化を来すものとそうでないものがある。長期療養時代に突入した現代においても,HIV感染症陽性者個々の薬物動態は刻一刻と変化している。本稿では薬物代謝からみた,抗HIV薬のそれぞれの特徴について述べたうえで,安全に有効な薬物治療が長期にわたり実施できるよう,薬剤変更時や併存疾患治療薬との薬物相互作用に関する注意点,今後の展望について概説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。