診断と治療のTopics
MSMにおけるHPV関連腫瘍のアップデート
掲載誌
HIV感染症とAIDSの治療
Vol.14 No.1 22-27,
2023
著者名
水島 大輔
記事体裁
連載
疾患領域
癌
/
アレルギー・免疫
/
感染症
診療科目
その他
媒体
HIV感染症とAIDSの治療
Key Words
ヒトパピローマウイルス
/
肛門がん
/
咽頭がん
/
MSM
/
HIV
HIV感染症における肛門がんの発生率は非HIV感染者と比較して有意に高く,とくに男性同性間性的接触者(men who have sex with men;MSM)で問題となる。肛門がんは,主に肛門への高リスク型ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus;HPV)の感染が契機となるが,女性の子宮頸がんのスクリーニングと異なり,HPV既感染のMSMにおける肛門がんのスクリーニング法・予防法として,拡大肛門鏡および焼灼術が海外の一部で実施されているものの,標準予防法は確立していない。また,HPV関連の咽頭がんは,肛門がんと比較しても,スクリーニング法確立の目途は全く立っていない。咽頭がんは早期の診断が難しく,死亡率は高く,生命予後も著しく改善しているものの喫煙者の割合が多いHIV感染者において今後の重要な課題となる。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。