1997年頃に抗レトロウイルス療法(antiretroviral therapy;ART)が登場し多くの臨床試験が実施され,それらの成果を基に毎年のようにHIV感染症治療のガイドラインが国内外で改訂されてきた1)-4)。世界で標準的ガイドラインとされる米国のDHHSガイドラインは,2018年10月と2019年7月に改訂され,本稿でも改訂のポイントを取り上げた。その後,2021年6月3日,同年8月16日,2022年1月20日に,初期(あるいは急性感染期)HIV感染症に対する抗HIV療法,抗HIV療法の中止あるいは中断などが改訂され,同年9月1日にはサル痘に用いられる抗ウイルス薬との潜在的相互作用が加筆された。海外での長期作用型注射剤であるカボテグラビル(CAB)とリルピビリン(RPV)の承認を受け,治療良好な陽性者での薬剤変更が改訂されていたが,同注射剤が本邦で2022年5月末に承認されたのに伴い,本稿で,治療経過良好な症例での薬剤変更による最適化と長期作用型抗HIV注射剤を用いた2剤療法につき,同DHHSガイドラインの改訂の関連部分を述べることとする。
ガイドライン改訂のPoints
DHHSガイドライン改訂のポイント
掲載誌
HIV感染症とAIDSの治療
Vol.13 No.1 11-15,
2022
著者名
白阪琢磨
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
感染症
診療科目
その他
媒体
HIV感染症とAIDSの治療
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。