新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するワクチン接種が日本でも広まり収束に向かっている。しかし,新たな懸念すべき変異株の国内流入やワクチン接種者の抗体価低下により新たな感染の波が懸念される。
われわれは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症肺炎でECMO管理が必要となったHIV感染症患者を経験した。HIV感染症は治療中断によりウイルス血症の再燃とCD4T細胞数の減少が起こり得るため,原則治療を継続するのが望ましいが,ECMO管理下の人工肺環流による抗HIV薬の血中濃度への影響は知られていない。
本稿では,ECMO管理下で抗HIV薬の血中濃度を測定し抗HIV療法を継続し救命し得た重症COVID-19の症例を提示する。
われわれは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症肺炎でECMO管理が必要となったHIV感染症患者を経験した。HIV感染症は治療中断によりウイルス血症の再燃とCD4T細胞数の減少が起こり得るため,原則治療を継続するのが望ましいが,ECMO管理下の人工肺環流による抗HIV薬の血中濃度への影響は知られていない。
本稿では,ECMO管理下で抗HIV薬の血中濃度を測定し抗HIV療法を継続し救命し得た重症COVID-19の症例を提示する。