Burkittリンパ腫は,増殖速度の速い最も悪性度の高い悪性リンパ腫である。現在では短期間に強力な多剤併用化学療法を行うことで,治療成績は著明に改善している。一方で,HIV感染者で発症する悪性リンパ腫のうち,Burkittリンパ腫は40%近くと頻度が高いが,強力な化学療法に関連した感染症などの毒性が問題となっている。最近,治療強度を減弱した化学療法により,HIV感染者でも非感染者と同程度の有効性と安全性を示すことが報告されているが,現時点では評価は定まっていない。また抗レトロウイルス療法(anti-retroviral therapy;ART)導入後に他のリンパ腫の発症頻度は低下したが,Burkittリンパ腫ではその傾向はみられていない点が課題となっている。
「KEY WORDS」Burkittリンパ腫,HIV,多剤併用強力化学療法,中枢神経予防