HIV感染症の予防戦略として,PrEP(pre-exposure prophylaxis,曝露前予防投薬)導入の取り組みが世界的に進行し,HIVの新規感染者の減少という疫学的な効果が報告されている。PrEPは,抗HIV薬TDF/FTCをHIV未感染者が曝露前より内服することで,HIVを予防する方法で,エビデンスはすでに集積されているが,日本ではPrEPは認可されておらず,取り組みが遅れている。一方で,インターネットで薬剤を購入し,自己判断によるPrEP使用者が日本でも草の根で急増しており,HIVの薬剤耐性化や副作用による安全性が危惧され,PrEPに関する正しい情報提供が緊急の課題である。
「KEY WORDS」HIV,PrEP,STI,MSM
「KEY WORDS」HIV,PrEP,STI,MSM