近年,米国,英国などを含めた先進国で男性同性愛者を中心に梅毒患者の報告数の増加が顕著になっている1)2)。わが国も同様の状況にあり,2010年以降増加の一途を辿り,それまで年間500~700件だった報告数が2016年はその6~8倍となる,4,518件を記録している3)。さらに2017年も,梅毒患者は第35週(8月28日~9月3日)時点までで3,728件が報告されており,2016年同時期の約1.3倍とさらなる増加が予想される4)。
それに伴い眼梅毒の報告も近年増加傾向にあり,当院でも患者数の明らかな増加とまでは言えないがHIV患者のみに絞っても毎年1~3件が診断されている。梅毒による病変は陰部や皮膚だけでなく,中枢神経や消化管,肝臓,耳などさまざまな臓器にみられることが知られている。しかし,そのなかでも特に眼梅毒に関する報告が近年増加しているため,当院において経験した眼梅毒の1例について報告する。
それに伴い眼梅毒の報告も近年増加傾向にあり,当院でも患者数の明らかな増加とまでは言えないがHIV患者のみに絞っても毎年1~3件が診断されている。梅毒による病変は陰部や皮膚だけでなく,中枢神経や消化管,肝臓,耳などさまざまな臓器にみられることが知られている。しかし,そのなかでも特に眼梅毒に関する報告が近年増加しているため,当院において経験した眼梅毒の1例について報告する。