Q&A形式 Case Study
CD4の上昇を認めない症例に対して日和見感染症予防をどうしたらよいですか
掲載誌
HIV感染症とAIDSの治療
Vol.8 No.2 24-28,
2017
著者名
白阪琢磨
/
立川 夏夫
/
鯉渕智彦
記事体裁
抄録
疾患領域
感染症
診療科目
その他
媒体
HIV感染症とAIDSの治療
患者は60歳代男性で転勤に伴い紹介され受診した。紹介状によれば,約8年前にニューモシスチス肺炎(PCP)でAIDSを発症しHIV感染症と診断され,ST合剤とプレドニゾロンで治療を開始したが発熱などあり,ST合剤からペンタミジン静注投与で軽快した。初診時CD4数が48/μL,血清中ウイルス(VL)が5.8×10⁴/mLであり,ネルフィナビルとラミブジン+アバカビル合剤で多剤併用療法(ART)を開始した。直近のCD4数は190/μLまで上昇し,VLはART開始の4ヵ月後から検出限界未満を継続している。前医の処方はネルフィナビル10錠/日,ラミブジン+アバカビル合剤1錠/日,ペンタミジン吸入1回/月であった。転勤後の毎月の受診は困難だという。また,パートナーが結核を発症し,患者の胸部X線は明らかな異常はなかったが,抗原特異的インターフェロン-γ遊離検査(IGRA)は陽性であった。そのほか,HBs抗原,抗体ともに陰性であることがわかった。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。