ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症は抗HIV薬の多剤併用療法(antiretroviral therapy;ART) により,慢性感染症と定義されてもよいほど,患者自身の生命予後は改善した。一方で,未治療患者のみならずART施行下の患者においても肺癌をはじめ悪性腫瘍の合併頻度が高いことが指摘されている。特に悪性リンパ腫の合併頻度は非HIV感染者に比べて60~200倍ときわめて高い。
今回,全身の多発性リンパ節腫脹と血球貪食症候群を合併し,十分な抗癌化学療法が施行できず,急速に病態が悪化した形質芽球性リンパ腫症例を提示する。
今回,全身の多発性リンパ節腫脹と血球貪食症候群を合併し,十分な抗癌化学療法が施行できず,急速に病態が悪化した形質芽球性リンパ腫症例を提示する。