はじめに  痛みは自覚症状であり,その評価を客観的に行うことは非常に困難である.そのため,線維筋痛症(fibromyalgia;FM)もその診断や評価に苦慮している現状がある.FMはいずれも一般医療機関において行うことができる血液検査や画像所見によって明確に診断ができないうえ,病態が一般臨床医に十分理解されていないため,少数の医療機関でしか診療されていない.このような状況をかんがみて厚生労働省の研究班が組織され,日本線維筋痛症学会が発足し,種々の研究が進行している.