頭痛の不思議
頭痛を起こす物質(薬剤の使用過多による頭痛を除く)
掲載誌
Headache Clinical & Science
Vol.7 No.1 48-49,
2016
著者名
髙橋 牧郎
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
診療科目
神経内科
媒体
Headache Clinical & Science
「はじめに」国際頭痛分類第3版beta版1)において「物質またはその離脱による頭痛」は,さらに「物質使用または曝露による頭痛」,「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛,MOH)」,「物質離脱による頭痛」の3つに細分されている.本稿ではMOHを除く,物質による頭痛につき述べる.
これらの頭痛は一般に両側性・拍動性の頭痛であり,体動による増悪など片頭痛の特徴を有することも多い.発現時期により即時型と遅延型に大別され,いずれも72時間以内に頭痛は消失する.即時型頭痛には一酸化窒素(NO)供与体,ホスホジエステラーゼ(phosphodiesterase: PDE)阻害薬,一酸化炭素,アルコール,食品添加物,グルタミン酸ナトリウム,コカイン,ヒスタミン,カルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide: CGRP),その他の薬物によるものがある.遅延型頭痛にはNO,アルコール,ヒスタミン,CGRPによるものが知られているが,ベースに一次性頭痛が存在することも多い.一方,物質離脱による頭痛にはカフェイン,オピオイド,頭痛頓挫薬,エストロゲンなどによるものがある.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。