「summary」一次性頭痛の有病率と特徴に関してナルコレプシーや特発性過眠症を含めた過眠症疾患において詳細な検討はなされていない.われわれは一次性頭痛の有病率と特徴に関して日本人患者を対象に調査した.この多施設横断研究では睡眠障害のある連続576例の外来患者のうちナルコレプシー68例と特発性過眠症35例と,年齢を合致させた61例の健常者を対象とした.半構造化された頭痛質問票による調査をすべての参加者に施行した.ナルコレプシー患者(59.2%)と特発性過眠症患者(77.1%)は健常対照群(24.6%)に比べて高頻度に頭痛の合併を認めた.片頭痛の有病率はナルコレプシー23.5%,特発性過眠症42.9%,対照群4.9%であり(p<0.0001),緊張型頭痛の有病率はナルコレプシー16.2%,特発性過眠症23.5%,対照群14.8%であった(p=0.58).片頭痛の合併した群は頭痛のない群と比べて,日中の過度の眠気の合併がナルコレプシー患者(93.8%vs65.6%)および特発性過眠症患者(86.7%vs37.5%)で有意に多かった.