注目のTopics
周産期の栄養管理
妊婦の栄養
掲載誌
Fetal & Neonatal Medicine
Vol.12 No.2 13-16,
2020
著者名
横山 真紀
/
上野 愛実
/
杉山 隆
記事体裁
抄録
疾患領域
小児疾患
診療科目
産婦人科
/
小児科
媒体
Fetal & Neonatal Medicine
Key Words
肥満,低出生体重児,DOHaD,子宮内環境,やせ,妊娠中の適正体重増加量
適切な栄養摂取は,母体の健康維持や胎児の健全な発育にとって重要であるのみならず,次世代の将来の健康や疾病発症リスクに長期的な影響をもたらす。妊娠前の段階から始まり,胎生期,新生児期,乳幼児期といったライフステージの最も初期段階における栄養状態が将来の肥満,糖尿病,心血管疾患などの非感染性疾患(non-communicable diseases;NCDs)発症リスクと関連することが明らかとなってきている。この現象は,1986年にBarkerらが,英国の一地方での後方視的疫学研究において,低出生体重児では将来の虚血性心疾患による死亡率が高いことを報告したことに端を発し¹⁾,その後多くの疫学研究や動物実験により支持され発展し,今日ではdevelopmental origins of health and disease(DOHaD)の概念として提唱されている²⁾。少子高齢化の進む現代日本において,DOHaDの概念は予防医学や先制医療の観点からも今後ますます重要性を増すものと考えられる。本稿では,妊娠と栄養に関する国内外の研究成果を交え,最近の話題を中心に述べる。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。