「はじめに」従来,研究ツールとして用いられていたsiRNAやアンチセンス核酸は,近年の核酸修飾技術の進歩による標的結合性と生体内での安定性の向上に伴い,核酸医薬として臨床応用へ向けた取り組みが加速している。神経内科領域の神経・筋疾患においても,脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA),デュシャンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD),筋強直性ジストロフィー1型(myotonic dystrophy type 1:DM1)といった疾患ですでに核酸医薬を用いた臨床治験が開始されており,またハンチントン病(Huntington's disease:HD),筋萎縮性側索硬化症(ALS),アルツハイマー病(AD)などでも治療研究が進んでいる。これまでにこうした核酸医薬の驚くべき効果を疾患モデル動物で目の当たりにしてきた者として,その臨床への展開を大いに期待しており,また難病に苦しむ患者のためにも必ずや実現しなければいけないと考えているが,本稿ではあえて「No」の立場より,RNA創薬をはじめとする核酸医薬の神経変性疾患への臨床応用に立ちはだかる課題について考察する。
本企画は問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。
・「Yes」の立場から/永田哲也/横田隆徳
・「No」の立場から/中森雅之/望月秀樹
本企画は問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。
・「Yes」の立場から/永田哲也/横田隆徳
・「No」の立場から/中森雅之/望月秀樹