「治療戦略上のメリット」

カルボプラチン併用による病理学的完全奏効(pCR)率の改善が複数のランダム化第Ⅱ相比較試験で示されている。pCR率の改善により,長期予後の改善が得られる可能性がある。乳房温存率が改善する可能性も期待される。


「治療戦略上のデメリット」

早期乳癌に対してカルボプラチン併用によるpCR率の改善が否定されたランダム化第Ⅱ相比較試験がある。無病生存期間(DFS),無イベント生存期間(EFS)や全生存期間(OS)などの長期予後の改善が示されていない。転移再発乳癌に対しても,無増悪生存期間(PFS)やOSの改善は示されていない。プラチナ製剤を併用することで血液毒性,非血液毒性が強くなり,治療中止や減量が多くなる可能性がある。現時点では保険適応外である。


●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。