H.pylori(以下,HP)未感染粘膜背景に発生する印環細胞癌は萎縮のない胃底腺粘膜に褪色調の0-Ⅱb,もしくはⅡcとして認められる。われわれは細胞増殖能も低いことを報告しているが,サイズが大きくなると粘膜全層に発育し,SM浸潤する症例がまれではあるが認められている。SM浸潤症例2例ではpure sigではなくpor混在病変であった。当院のESD症例からの検討ではSM癌は2/92(2.2%)であった。HP未感染sigの多くは粘膜中層―上層に存在し,全層発育する症例は少ないが15mmを超えると全層発育し,SMに浸潤していく可能性が示唆された。