近年,TCGAプロジェクトを始めとするがんゲノム研究によって胃がんの分子遺伝学的な理解が深まっているが,それらが病態や臨床的表現系に与える影響については,研究が不十分である。近年登場したオルガノイド培養法によって,正常・前がん病変および多様な悪性度のがんから高い効率で培養系を確立可能となり,in vitro解析が可能となった。このような技術はがんゲノム研究の知見を病態理解・治療開発へと結びつけるプラットフォームとなる可能性をもっている。本稿では,胃がんにおけるオルガノイド培養法を応用した最新の知見について紹介する。
State of the art(胃がんperspective)
胃がんオルガノイドによる新しい胃がん生物学の理解
掲載誌
胃がんperspective
Vol.11 No.2 14-21,
2020
著者名
戸ヶ崎 和博
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器外科
/
消化器内科
/
腫瘍内科
媒体
胃がんperspective
Key Words
胃がん,オルガノイド,幹細胞,CRSPR-Cas9,ハイスループットスクリーニング
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。