エキスパートの治療法―症例から考える―
胃癌術後腹膜播種再発による直腸狭窄症例
掲載誌
胃がんperspective
Vol.5 No.4 38-40,
2012
著者名
上田貴威
/
白石憲男
記事体裁
症例
/
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
胃がんperspective
「症例」[年齢 性別] 60歳, 女性 [既往歴 合併症] なし [現病歴] 胃全摘術, 脾摘出術, D2郭清, R-Y再建. 病理:por>sig, sci, INFγ, ly2, v2, MUL, Circ, 4型, T4a(SE), N3a(10個転移, 13版:N2), P0, H0, Cy0, Stage IIIC 上記術後, 1年間のTS-1投与を行い外来経過観察中, 術後1年9ヵ月後の造影CTにて直腸の壁肥厚を指摘された. その後行われた注腸検査にて腹膜播種再発による直腸狭窄と診断された. 当時, 直腸狭窄によると思われる自覚症状は認めなかった. [所見] 腹部骨盤CTにて直腸の全周性の壁肥厚を認めた(図1). また, 右水腎症も認めた. 注腸検査では, Rs~Ra/bにかけての集束像および狭窄所見を認め, 特にRs~Ra/bの狭窄が著明であった(図2). 「Q. 腹膜播種再発による直腸狭窄に対する人工肛門造設の適応はどうされていますか. 」A. 腹膜播種による癌性腸閉塞は, 切除不能進行/再発胃癌によるoncologic emergencyの一つです.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。