State of the art(胃がんperspective)
進行胃癌における審査腹腔鏡の位置づけ
掲載誌
胃がんperspective
Vol.5 No.3 24-31,
2012
著者名
吉川貴己
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土田知史
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尾形高士
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長晴彦
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円谷彰
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
胃がんperspective
審査腹腔鏡は, CTなどの画像診断では検出できない腹膜転移を診断する目的で行われる. その意義は, (1)日常診療における, 画像診断での切除可能進行胃癌の治療方針決定, (2)臨床試験における術前補助化学療法の対象選別, (3)臨床試験における非治癒因子が1つであることの確認, にある. 審査腹腔鏡のリスクは, 全身麻酔を要する侵襲的検査であるにもかかわらず, 腹膜転移がみつからなかった場合にはまったくの無駄な検査となることである. 一方, ベネフィットは, 腹膜転移がみつかった場合には結果として開腹手術が避けられたことになり, 患者/医療者の精神的ダメージが少ない, 腹部の大きな正中切開創が避けられる, リソースの無駄遣いを避けられる, ことにある. 高頻度で腹膜転移をきたす症例, 術前補助化学療法を行うべき高度リンパ節転移症例では, 審査腹腔鏡のよい適応となる. 「審査腹腔鏡の目的」胃癌に対する審査腹腔鏡は, 主に, 腹膜転移を検出するために用いられている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。