Q&Aで綴るレジデント・ノート―専門医がわかりやすく解説―
No.31 「重粒子線治療」とは,どんなものですか?
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.5 No.1 75-77,
2012
著者名
中野隆史
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
大腸癌FRONTIER
【Answer】重粒子線治療は, 炭素イオン線による治療であり, 従来のX線治療に比べて, 物理学的・生物学的に優位性をもっており, これまで放射線治療抵抗性と考えられてきた難治性腫瘍に対する治療として期待がもたれています. 「はじめに」これまで放射線治療にはγ線・X線が主に用いられてきましたが, 近年, 加速器技術の発展とともに粒子線照射装置の小型化・高エネルギー化が進み, 医療分野でも粒子線が用いられるようになりました. 医療に用いられる粒子線は, 陽子線, 中性子線, 陽子・中性子より質量が重い粒子を用いた重粒子線に大別されます. 重粒子線のうち, 実際に臨床で用いられているのは炭素イオン線であり, 以降, 本文中での“重粒子線”は炭素イオン線のことを指します. 重粒子線治療は, 従来のX線治療に比べて, 物理学的・生物学的に優位性をもっており, これまで放射線治療抵抗性と考えられてきた難治性腫瘍に対する治療に期待がもたれています.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。