てんかんの原因は多岐にわたり,小児期発症のてんかん症候群のほか,遺伝性のチャネル病,海馬硬化症を伴う内側側頭葉てんかん,皮質形成異常,腫瘍,感染,頭部外傷,周産期脳障害,脳卒中,認知症などが知られているが,今もなお原因不明(etiology unknown)のてんかんも存在する.てんかんの治療の基本は抗てんかん発作薬による内科的治療であり,適切な抗てんかん発作薬の内服により大部分は治療可能であるが,それでも約30%は難治性に経過し1),外科治療の対象となり得る.また以前から,抗てんかん発作薬による治療に抵抗性の患者で,一部に免疫療法が有効であることは経験的に知られていた2).近年の抗体検出技術の発達により,これらの患者群の一部に神経細胞表面抗原あるいはシナプス蛋白を標的とする自己抗体の存在が示され,免疫療法により発作を抑制できる症例が報告され,いわゆる「自己免疫性てんかん」の存在が明らかになった3)