てんかん余話
秋元波留夫
掲載誌
Epilepsy
Vol.8 No.1 60-61,
2014
著者名
丹羽真一
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
/
小児疾患
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
/
小児科
/
精神科
媒体
Epilepsy
秋元波留夫先生は, 金沢大学, 東京大学の精神医学教授を務められ, 日本てんかん学会の創設者として初代理事長を務められるなど, わが国のてんかん学とてんかん医療福祉の発展に大きな功績を残され, 2007年に101歳で逝去された. 秋元先生を偲ぶ大部な本の副題は「明治→平成を駆け抜けたやさしい巨人」とつけられた. 「やさしい」とは秋元先生の弱者を思いやる眼差しのことである. 秋元先生がてんかんの分野に足を踏み入れられることになったのは, 1929年に先生が東京大学医学部を卒業され, その前年にアンモン角硬化の成因研究で名高い内村祐之先生によって開設された北海道大学医学部精神医学教室へ入られた理由と重なる. 秋元先生は「てんかんは神経症であると信じられていたなかで, 内村先生のアンモン角研究に始まる脳疾患としてのてんかん研究」に触発され, 北海道大学医学部精神医学教室へ進まれてんかんの分野に足を踏み入れられることとなったわけである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。