マイボーム腺そのものの炎症(マイボーム腺炎)(図1)に関連して,角膜に点状表層角膜症(SPK),炎症細胞浸潤,表層性血管侵入などを生じる病態を「マイボーム腺炎角結膜上皮症(meibomitis-related keratoconjunctivitis:MRKC)」と呼ぶ1)。マイボーム腺炎は,もともと閉塞性マイボーム腺機能不全があったところに,細菌が増殖したために生じたのではないかと考えられる。MRKCの病型は,角膜上の結節性病変を特徴とする「フリクテン型」(いわゆる「角膜フリクテン」)(図2)と,結節性病変は認めずSPKが主体である「非フリクテン型」(図3A,B)の2つに大別できる。どちらの病型も,典型例ではマイボーム腺炎の重症度と角結膜上皮障害の重症度は相関する2, 3)