山形県における除菌療法の普及を中心とした約20年間の取り組みについて報告する。
1994年WHO/IARCがH.pyloriを胃がんの原因と認定した。その前後に米国では消化性潰瘍に対する除菌療法のガイドラインができ,追ってヨーロッパでもガイドラインが成立した。日本の山形県では1997年に山形H.pylori研究会が設立された。これは除菌療法が保険適用になった際,スムーズに移行できるようにするため,14医療機関でクローズドに設立した研究会である。そこでは情報交換や症例検討をはじめ,識者の講演会などの活動を行い情報共有を進めてきた。
2000年,消化性潰瘍に対するH.pyloriの除菌療法が国内でも保険適用となった。それと同時に,山形県臨床H.pylori研究会が設立された。これは前述の研究会を発展させた形で,全県下で行う会として設立されたものである。