「捻挫では何が起きているのでしょうか?」捻挫という言葉は誰でも知っていますが,何が起きているかを考え直してみましょう。どの関節にも捻挫は起きますが,ここでは足関節の内返し(図1)によって起きる捻挫を中心に述べます。まず関節の構造ですが,骨と骨とが軟骨面で接しながら関節として動く部分の一番内側は,関節包と呼ばれる袋状の強い組織で覆われています。その上を帯状に靭帯が覆い,強い力が加わっても関節が脱臼しないように支えています。足関節外側からみた靭帯の構成(図2A)として,前距腓靭帯(図中①),踵腓靭帯(図中②),そして後距腓靭帯(図中③)があります。そのような関節構造の許容範囲を超えて,脱臼してしまうような強い引っ張りの外力が加わって,靭帯や関節包にさまざまな程度の損傷を起こす外傷を捻挫と呼んでいます。

捻挫は冷やす?温める?/坪田一男
・捻挫直後は冷やす/越智隆弘
捻挫は温める~温熱療法,温泉療法の観点から~/岩波佳江子