「はじめに」5’-AMP-activated protein kinase(AMPK)は,肝臓,筋肉,脂肪組織などの末梢組織や視床下部においてエネルギーセンサーとしての役割を示し,エネルギー欠乏時には異化反応を促進する。骨格筋では,AMPKの活性化が脂肪酸のミトコンドリアへの取り込みを促進し,脂肪酸酸化を促進することが明らかにされている。一方,持久的な運動トレーニングは骨格筋でのミトコンドリア量を増加させることが知られているが,ミトコンドリア生合成促進にもAMPKの関与が考えられている。本稿では,運動によって活性化される骨格筋AMPKの脂肪酸酸化促進や,ミトコンドリア量調節における役割について解説した。
「KeyWords」運動,骨格筋,CPT1,脂肪酸酸化,PGC-1α,ミトコンドリア生合成