編集委員に聞く 日本の知恵を探る
第21回 一汁三菜
掲載誌
アンチ・エイジング医学
Vol.9 No.6 90,
2013
著者名
南野 徹
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
脳血管障害
/
栄養管理
/
アンチエイジング
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
神経内科
/
老年科
媒体
アンチ・エイジング医学
日本料理の正式な膳立てである本膳料理の構成に一汁三菜がある. 元々は鎌倉時代に禅寺で, 質素倹約を重視した食事の形式として一汁一菜という形式がとられていた. 特別な日や来客時には一汁三菜, つまり, 汁物1品とおかず3品(主菜1品+副菜2品)とされていた. これが一般の人々にも広まり, 一汁三菜が日本の伝統的な日常の食事形態として定着するに至った. 室町時代になると武家の経済的優位性が確立し, 幕府も京に移り公家文化の影響を受けたことで, 料理の品数も増え, 一汁三菜, 一汁五菜, 二汁五菜, 二汁七菜, 三汁五菜, 三汁七菜, 三汁十一菜といった献立の本膳料理が成立した. 本膳料理の中では一汁三菜は基本であり, 最も簡素なものである. 2012年3月, 日本政府は「和食;日本人の伝統的な食文化」をユネスコ無形文化遺産に登録申請し, 2013年に登録される見通しである. これまで無形文化遺産に登録された料理は「フランス美食術」や「地中海料理」, 「メキシコ料理」, 「トルコ料理」などである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。