【特集 レスベラトロール】
レスベラトロールの癌への応用
掲載誌
アンチ・エイジング医学
Vol.8 No.6 66-74,
2012
著者名
澤登雅一
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
消化器
/
癌
/
アンチエイジング
診療科目
産婦人科
/
消化器内科
/
腫瘍内科
/
老年科
/
消化器外科
媒体
アンチ・エイジング医学
「はじめに」1997年にJangら1)によってレスベラトロールの癌抑制作用が初めて報告されて以来, 非常に多くの基礎研究あるいは動物を用いたヒト癌モデルにおける腫瘍抑制効果が報告されている. 近年, 大腸癌患者に対するレスベラトロールの有効性を確認するためのヒト臨床試験も行われ2)3), レスベラトロールに対し, 毒性のない新しい抗癌剤としての可能性に期待が高まりつつある. その一方で, レスベラトロールを抗癌剤として開発するには, クリアすべきいくつかの問題があるのも事実である. 多くの論文で示されているレスベラトロールの抗腫瘍効果のうちどれが主体となるのか, レスベラトロールの低いバイオアベイラビリティをどう改善するか, 病態により相反する効果をどのように解釈するか. 本稿では, 癌治療におけるレスベラトロールの可能性と今後の課題について述べる. 「レスベラトロールの抗腫瘍作用」「1. in vitroから前臨床試験まで」前述のように, レスベラトロールの癌に対する効果が初めて報告されたのは, Scienceに掲載された1997年Jangらの論文である1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。