【特集 レスベラトロール】
レスベラトロールの腎保護効果
掲載誌
アンチ・エイジング医学
Vol.8 No.6 46-52,
2012
著者名
北田宗弘
/
古家大祐
記事体裁
抄録
疾患領域
糖尿病
/
腎臓
/
アンチエイジング
診療科目
一般内科
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循環器内科
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腎臓内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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泌尿器科
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神経内科
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老年科
媒体
アンチ・エイジング医学
「はじめに」レスベラトロールは, ブドウやピーナッツの皮, マルベリーなどに多く含まれるポリフェノールの一種であるが, 以前から抗酸化作用を発揮し, 心血管疾患のみならず腎疾患に対しても有用であることが示されてきた. 一方, 実験動物におけるカロリー制限(CR)の寿命延長効果が明らかにされ, 現在のところCRは実験的に唯一確立された“アンチエイジング法”として認識されている. これらCRの寿命延長効果に関する研究から, CRにより活性化される分子としてSIRT1(NAD+依存性脱アセチル化酵素)が着目された. レスベラトロールはこのSIRT1を活性化する物質の一つとして見出され, レスベラトロールを摂るとCRをしなくても長寿効果を得られるのでは?と期待され, 注目されるに至っている. しかし, CRの寿命延長効果が主にSIRT1を介した作用によるかどうか, またそれに関連しているレスベラトロールの寿命延長効果に否定的な研究報告もあり, いまだ議論の余地が残されているが, レスベラトロールは, 抗酸化作用〔活性酸素種(ROS)の捕獲〕とSIRT1活性化作用により(図1), 老化に関連する糖尿病, 心血管疾患, 腎臓病, 悪性腫瘍, 神経変性疾患, 認知症など多くの疾患に対し, 有効性を発揮している可能性が実験的に示されている(図2).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。