誌上ディベート
レスベラトロールはサプリメントとして摂るべき?
掲載誌
アンチ・エイジング医学
Vol.8 No.2 77-87,
2012
著者名
坪田 一男
/
北田宗弘
/
古家大祐
/
今野裕之
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
糖尿病
/
消化器
/
腎臓
/
神経疾患
/
皮膚疾患
/
癌
/
栄養管理
/
アンチエイジング
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
消化器内科
/
腎臓内科
/
皮膚科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
神経内科
/
老年科
/
消化器外科
媒体
アンチ・エイジング医学
今回は, 昨年NHKスペシャルでも話題になったレスベラトロール. 「積極的に摂る」という立場で書いてくださったのが金沢医科大学の北田宗弘先生である. たくさんのエビデンスが積み重なってきていることがわかる. 一方, 「まだレスベラトロールは摂取を推奨するには早すぎる」という立場で論陣を張ってくれたのが順天堂大学の今野裕之先生だ. 確かにヒトでの研究は少なく, まだ時期尚早というのもうなずける. ただ, 2011年のCell Metabolismに“レスベラトロール150mgを30日間摂取すると, カロリーリストリクションと同じような遺伝子発現が起き, 血圧, 血糖が下がる”という結果が出て話題になってきている. とはいえ, そのメカニズムはまだまだ不確定な部分も多く, 2012年のCellに“レスベラトロールは, cAMPを分解するPDE1, 3, 4(フォスフォジエステラーゼ)の阻害剤だった”という衝撃的な論文が出て, またまた議論を呼んでいる. ご存知のように, バイアグラ, シアリスはPDE5の阻害剤であり, EDを治療する. 残念ながらレスベラトロールにはPDE5の阻害作用はないが, 逆にPDE5阻害剤がアンチエイジング効果をもつ可能性は大いに高まった. 帝京大学の堀江重郎教授が常々言われているように, “EDを治療することはアンチエイジング!”なのかもしれない. ちなみに, 自分自身はレスベラトロールを1日200mg摂取している.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。