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【基礎】アレルギー疾患の発症をいかに予防するか?~バリア機能と免疫学的側面から~
掲載誌
皮膚アレルギーフロンティア
Vol.22 No.1 17-21,
2024
著者名
草川 剛
/
森田 久美子
/
森田 英明
記事体裁
抄録
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特集
疾患領域
アレルギー・免疫
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皮膚疾患
診療科目
アレルギー科
/
皮膚科
媒体
皮膚アレルギーフロンティア
Key Words
アトピー性皮膚炎(AD)
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食物アレルギー
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上皮バリア機能
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保湿剤
/
抗炎症薬
近年の研究から,アレルギー疾患の発症には,外的環境因子(エクスポソーム)および内的要因(遺伝的素因)による上皮細胞のバリア障害と,それに引き続く免疫反応の活性化が関与している可能性が示唆されている.これらの知見をもとに,保湿剤による皮膚バリアの補完や,抗炎症薬塗布による早期介入により,アトピー性皮膚炎(AD)や食物アレルギーの発症予防を目指す研究が行われている.しかし,保湿剤塗布はADの発症を一定程度予防するが食物アレルギーは予防できず,抗炎症薬塗布による早期介入も食物アレルギーを一定程度予防するが完全には予防できない.アレルギー疾患の発症には多因子が関与しており,予防にはさらなる検討が必要である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。