人工知能(artificial intelligence:AI)を用いた医療機器の普及が加速している.米国の食品医薬品局(FDA)が承認するAIを用いた医療機器の数は増加の一途をたどり,2020年には100件を超えた1).その多くが医師の診断の支援を目的とした,コンピュータ支援診断(computer-aided diagnosis:CAD)システムである.日本においても,医薬品医療機器総合機構(PMDA)が承認したCADの数は増えている2).日米ともに放射線科を中心に普及しているが,米国では循環器科,血液内科や神経内科など,ほかの診療科にも広がっている.

本稿では,画像を対象としたCADの概要について触れたあとで,皮膚疾患画像を対象としたCADの研究・開発の概要について述べる.その後,CADの技術的コアとなっている深層学習(ディープラーニング)の特徴と,それを用いたCADの注意点について示す.