ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(staphylococcal scalded skin syndrome:SSSS)と中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis:TEN)の2つは,皮膚科医であれば誰もが知る有名な疾患である.SSSSは,1878年にRitter von Rittershainが新生児例を報告し1),1970年にMelishとGlasgowが疾患名を提唱した2).黄色ブドウ球菌の産生する表皮剝奪性毒素(exfoliative toxin:ET)が血流を介して全身の皮膚に到達し,有痛性の表皮剝離,水疱形成,びまん性の紅斑が全身に生じる感染性皮膚疾患である.