Special Articles
【基礎】乾癬と性差
掲載誌
皮膚アレルギーフロンティア
Vol.21 No.1 17-21,
2023
著者名
足立 晃正
/
本田 哲也
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
皮膚疾患
/
アレルギー・免疫
診療科目
皮膚科
媒体
皮膚アレルギーフロンティア
Key Words
乾癬
/
エストロゲン
/
女性ホルモン
/
好中球
/
マクロファージ
乾癬は,インターロイキン(IL)-23/IL-17軸を中心経路とする慢性炎症性皮膚疾患である.乾癬の重症度は女性よりも男性で高いと報告されており,女性ホルモンが性差の原因のひとつであると考えられている.疫学的研究から,妊娠中や男性乾癬患者の重症度は血清エストロゲン値と逆相関することが言われている.マウス乾癬モデルを用いた最近の研究では,エストロゲンが好中球およびマクロファージからのIL-1β産生を抑制し,IL-17産生低下につながることが見出され,乾癬におけるエストロゲンの抑制作用が示された.乾癬における女性ホルモンの役割の解明により,疾患をより良くコントロールできる可能性がある.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。