【特集 抗ヒスタミン薬~新たな地平~】
抗ヒスタミン薬の多彩な薬理作用
掲載誌
皮膚アレルギーフロンティア
Vol.11 No.2 27-31,
2013
著者名
戸倉新樹
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
膠原病・リウマチ性疾患疫
/
皮膚疾患
診療科目
アレルギー科
/
皮膚科
媒体
皮膚アレルギーフロンティア
「Summary」抗ヒスタミン薬は, かゆみ抑制作用, 膨疹抑制作用以外に. 抗アレルギー作用, 抗炎症作用, 免疫調整作用をもつ. とくに炎症性皮膚疾患においては, ケラチノサイトの前炎症性サイトカイン産生抑制, ケモカイン産生抑制, 接着分子発現抑制を通じて, 皮膚炎全体を鎮静化させる働きを有する. したがって, その臨床的応用範囲は広い. こうした多彩な作用は, 近年, インバース・アゴニストとしてヒスタミンH1受容体に作用することによって説明されようとしている. 「はじめに」抗ヒスタミン薬は, 当然ながら抗ヒスタミン作用としてかゆみ抑制作用, 膨疹抑制作用をもつ. これに加えて抗アレルギー作用, 抗炎症作用, 免疫調整作用と呼ばれるそれ以外の作用も有する. とくに皮膚でのこうした作用は, 疾患治療に直接かかわるため重要である. 抗ヒスタミン薬の標的細胞として, ケラチノサイトや樹状細胞など, 種々の免疫担当細胞がある.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。