写真で学ぶアレルギー
これがアトピー性皮膚炎の手掌のハイパーリニアリティ(palmar hyperlinearity,手掌の多紋理)徴候だ!
掲載誌
皮膚アレルギーフロンティア
Vol.10 No.1 61,
2012
著者名
古江増隆
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
皮膚疾患
診療科目
アレルギー科
/
皮膚科
媒体
皮膚アレルギーフロンティア
【Point! 手掌の多紋理は, アトピー性皮膚炎と魚鱗癬の合併症例に多発する】 アトピー性皮膚炎は手掌にも好発する. 全身の発疹が軽快したのちも, 手湿疹だけは持続することはよく見受けられる. 手洗い, 水仕事, 手作業によって, 手の乾燥・機械的刺激が絶えずくり返されるためと考えられている. 患者の手掌や指腹をみていると, 深いしわが通常よりも多数, しかも通常の手相のしわでは見られないような部位に多発している場合がある(図1). このような症例では手首にも多数のしわが認められることが多い(図1). これはpalmar hyperlinearity(手掌の多紋理)と呼ばれ, 魚鱗癬を合併しているアトピー性皮膚炎患者にしばしば認められる皮疹とされる. 実際に, 手掌の多紋理を有する患者の腰背部や下腿全面には図2のような浅い亀裂を有する乾燥した局面が認められることが多い.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。