特集 糖尿病に合併する動脈硬化症
糖尿病に合併する動脈硬化はどこまで解明されたか
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.15 No.3 13-18,
2016
著者名
倉林 正彦
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
糖尿病
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
/
循環器内科
媒体
Angiology Frontier
Key Words
インスリン抵抗性,血管内皮細胞,マクロファージ,壊死コア,小胞体ストレス
糖尿病患者の大血管合併症の予防に関しては,現在議論が盛んである。新規糖尿病患者では長期間の血糖管理が「遺産効果」を発揮することがUKPDSで示されたが,ACCORD試験やADVANCE試験では,罹病期間が長く心血管リスクの高い2型糖尿病患者では強化血糖管理療法は有効でなかった。
本稿では,動脈硬化病変を形成する各細胞型において,血糖とインスリン抵抗性の影響について概説した。血管内皮細胞とマクロファージにおけるPI3キナーゼ・Aktシグナルの低下が,動脈硬化促進および壊死コア形成につながることが明らかにされている。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。