「Summary」膠原病性肺動脈性肺高血圧症(PAH)は,1つの病態によって引き起こされているのではない。膠原病の基礎疾患により,病態もその治療方法も異なっている。特に,全身性強皮症(SSc)とそれ以外の疾患では大きく異なる。SScではゆっくりと進行し,重度の臨床症状が伴うようになってからの診断では治療効果が乏しい。できるだけ早期に,スクリーニングにより診断する必要がある。一方,全身性エリテマトーデス(SLE)や混合性結合組織病(MCTD)では発症時期に重度の臨床症状を呈することが多く,その時点での診断が適切に行われれば,免疫抑制療法を中心とした治療が奏効する。肺血管拡張薬との併用により,その生命予後は改善している。
特集 肺高血圧症治療の最前線
膠原病性肺動脈性肺高血圧症
CTD-pulmonary arterial hypertension
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.14 No.2 18-23,
2015
著者名
川口 鎮司
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
高血圧
/
糖尿病
/
膠原病・リウマチ性疾患疫
診療科目
膠原病科
/
循環器内科
/
呼吸器内科
/
リウマチ科
媒体
Angiology Frontier
Key Words
肺動脈性肺高血圧症,全身性強皮症,全身性エリテマトーデス,混合性結合組織病,免疫抑制療法
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。