2014年10月10日(金)~12日(日)の3日間,国立循環器病研究センター臨床研究部部長 北風政史先生の会長のもと,第18回日本心不全学会学術集会が大阪で開催された。2014年最大であった台風19号が近畿地方に近づくなか,幸いにも3日間とも天候に恵まれ,会場の大阪国際会議場には全国より約1700人と多くの参加者が集まり,熱気に満ちていた(写真1~3)。メインテーマは,“日本が創る心不全学の潮流―実臨床と基礎医学の往還から―Creating New Trends in Investigations on Heart Failure”と題され,基礎的研究と臨床医学のそれぞれのエビデンスの融合により心不全治療,研究のさらなる発展を期待するものであった。会長講演(写真4)では,今後の心不全学のさらなる発展について,近年の基礎医学の発展は目覚ましいものの基礎医学が「生物学」に,臨床医学が「統計学」にと異なった学問体系により成り立っており,そのため物理学,工学の関係のように基礎研究の成果を実臨床においての成果に直接結びつけることは困難であり,たとえば薬理学・分子生物学の研究により降圧薬としてβ遮断薬やアンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme;ACE)阻害薬は生み出されたが,これらの薬剤が心不全治療の中心となったのは臨床的観察によってである。
日本心不全学会
第18回日本心不全学会学術集会
2014年10月10日(金)~12日(日):大阪
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.14 No.1 64-66,
2015
著者名
福田 弘毅
/
朝倉 正紀
/
北風 政史
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
診療科目
心臓血管外科
/
循環器内科
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。