「Summary」 近年, 生活習慣の欧米化や高齢化によって虚血性心疾患が急増している. そのなかでも, 急性冠症候群は急性心筋梗塞や心臓突然死など生命を脅かすようなリスクを含んだ病態である. 血液バイオマーカーは, この急性冠症候群の診断, 梗塞に及んだときの重症度, 発症後の心筋梗塞や心血管イベント発症のリスク評価において重要な役割を担っている. また, 急性冠症候群の発症超早期の診断や原因となるプラーク破綻の予測など, 今後も大きな発展が期待される. 「はじめに」 急性冠症候群は, 主に冠動脈プラーク破綻が原因となり, 急性心筋梗塞や心臓突然死などの生命を脅かすようなリスクを含んだ病態である. このため, 急性冠症候群の診断とリスク評価がその後の適切なマネジメントのために必要となる. 病歴, 身体所見, 心電図や心エコー検査のみではその評価が不十分になることは臨床でよく経験する. 現在, トロポニンをはじめ, いくつかのバイオマーカーが急性冠症候群の診断, リスク評価において確立されており, 実臨床において必要不可欠であることはいうまでもない.
特集 心血管病とバイオマーカー
急性冠症候群とバイオマーカー
Biomarkers in acute coronary syndrome
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.13 No.2 11-17,
2014
著者名
小保方 優
/
倉林 正彦
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
診療科目
心臓血管外科
/
循環器内科
/
手術・救急
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。