「Summary」非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の心原性塞栓症/全身性塞栓症予防には, ワルファリンが唯一の経口抗凝固薬として用いられてきたが, 治療域の狭さや食事・薬剤との相互作用など問題点も多かった. 近年, 次々と新規抗凝固薬が登場し大きな期待が寄せられている一方で, 臨床課題も多数残されており, 今後のエビデンスの構築が必要だろう. また, 臨床諸家は各薬剤の特徴を十分理解し, 個々の患者に最適な薬剤の選択が重要である. 「はじめに:活性化第X因子(Xa因子)とは」血液凝固反応は, 外因系と内因系の2つの経路からなるcascade説が広く受け入れられている. これは, 凝固因子が連続した酵素反応により反応が増幅され, key enzymeであるトロンビンの生成により, 可溶性フィブリノゲンが不溶性フィブリンに変換されるというものである. 臨床に広く普及しているプロトロンビン時間(prothrombin time;PT)や活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:aPTT)は, それぞれ組織因子で開始される外因系および共通経路, 内因系および共通経路について調べる試験管内血液凝固反応系の検査である.
特集 抗血栓療法の最新の動向
新規Xa阻害薬の今後の展望
Future prospects for oral factor Xa inhibitors
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.12 No.3 36-42,
2013
著者名
岡田 卓也
/
豊田 一則
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
脳血管障害
診療科目
整形外科
/
心臓血管外科
/
神経内科
/
循環器内科
/
脳神経外科
/
手術・救急
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。