「Summary」用手的リンパドレナージは, 患肢や患部に過剰に貯留したリンパ液や組織液を障害を受けていない領域の皮膚組織やリンパ管系を介して正常に機能しているリンパ管系へ誘導し, 浮腫症状を軽減させるためのマッサージ療法である. 手技の特徴は, 皮膚面に対し直接手のひらを密着させた状態で, 健康なリンパ管系や最終的に誘導していくリンパ節に向けて, 円を描くように皮膚を効果的に伸張させていくことである. そのほかに, リンパうっ滞性線維症や象皮症などにより変化し, 硬くなった皮膚状態を改善させる特殊な手技も用いる. 「はじめに」1892年, 外科医Alexander von Winiwarter(オーストリア生まれ)によりリンパ浮腫治療のための特別なマッサージが提案された. 当時は, 象皮症を対象にスキンケア, 挙上, バンデージ, マッサージと運動療法を含めた物理的治療法が実践されていた1).
特集 リンパ浮腫の臨床Up-To-Date
リンパ浮腫の治療:リンパドレナージ
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.12 No.2 34-41,
2013
著者名
佐藤 佳代子
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
血液
診療科目
心臓血管外科
/
リハビリテーション科
/
循環器内科
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。