Summary
近年,リゾホスファチジン酸(LPA),スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)などのリゾリン脂質が生理活性脂質として細胞間のシグナリング分子として機能し,生体内で重要な役割をもっていることが明らかになってきた。これらの分子は,プロスタグランジン・ロイコトリエンとは構造・機能が大きく異なる第二世代の生理活性脂質として注目されている。LPAやS1Pは直接ゲノムにコードされておらず,生体内機能の解析には受容体,産生酵素,分解酵素の同定が重要となる。最近,これらの分子が同定・解析され,さまざまな生理的・病理的機能が明らかになり,創薬のターゲットとしても注目されている。
本稿では,LPAとS1Pの血管に対する機能やメタボリックシンドロームにおける役割を,最新の研究結果を含めて紹介する。
Key words
●生理活性脂質 ●リゾホスファチジン酸(LPA) ●スフィンゴシン-1-リン酸(S1P) ●血管新生 ●動脈硬化
はじめに
リン脂質とは,構造中にリン酸エステル結合を有する脂質の総称である。生体膜を構成する主要な脂質であり,細胞や細胞内小器官を囲む役割を担っている。さらに,シグナル伝達物質としての役割を担うリン脂質があり,それらをリン脂質メディエーターと呼ぶ。広義には細胞内メッセンジャーとして機能するイノシトールリン脂質や,さまざまな酵素活性を制御するホスファチジルセリン,ホスファチジン酸などを含むが,狭義には細胞膜上に存在する特異的受容体を介して生物活性を示すリン脂質を指す。構造上,グリセロールを骨格とするグリセロリン脂質と,スフィンゴシンを骨格とするスフィンゴリン脂質に大別される。
一般に,細胞膜を構成するリン脂質が脂肪酸を2本有するのに対し,リゾホスファチジン酸(lysophosphatidic acid;LPA),およびスフィンゴシン-1-リン酸(sphingosine-1-phosphate;S1P)は脂肪酸を1本しかもたない。このようなリン脂質は,“リゾリン脂質”と呼ばれる。リゾリン脂質は1本の脂肪酸を失っているため疎水性が低く,細胞膜から離れて細胞間の情報伝達物質として機能すると考えられている(図1)。
LPAは,グリセロール骨格にリン酸基と脂肪酸が1つずつ結合した単純なリン脂質である。LPAは,主に血中ではリゾホスファチジルコリン(lysophosphatidylcoline;LPC)からオートタキシン(autotaxin;ATX)によって,あるいは細胞膜上のホスファチジン酸(phosphatidic acid;PA)がPA選択的ホスホリパーゼ(PA-phospholipase;PA-PL)A₁によって加水分解され産生される。産生されたLPAは,LPA特異的G蛋白質共役型受容体(G protein-coupled receptors;GPCR)であるLPA₁~LPA₆受容体を介して,さまざまな生理機能に関与する(図2)。
一方,S1Pはスフィンゴシン骨格を有する代表的なリン脂質メディエーターであるが,S1Pは細胞内で細胞膜成分のスフィンゴミエリンから,セラミド,スフィンゴシンを経て,最終的にスフィンゴシンキナーゼ(sphingosine kinase;SphK)1,SphK2によるリン酸化により産生される。細胞内でつくられたS1Pは,S1PトランスポーターであるSpinster2(Spns2)により細胞外に輸送され,特異的GPCRであるS1P₁~S1P₅受容体を介して機能を発揮する(図2)。細胞外で産生されたLPAや細胞外へ分泌されたS1Pは,一見無制御に受容体に作用してしまうように考えられる。最近の研究成果によると,細胞膜にはLPAやS1Pなどの脂質リン酸化物に作用する脂質リン酸ホスファターゼ(lipid phosphate phosphatase;LPP)が存在し,細胞外のLPAやS1Pのレベルを調節しているものと考えられている(図2)。最近,リンパ球上のS1P₁受容体のダウンレギュレーションを引き起こすことで薬効を発揮するFTY720(フィンゴリモド塩酸塩)が多発性硬化症の治療薬として承認された。FTY720は細胞内に取り込まれてリン酸化され,FTY720-リン酸としてS1P₁受容体に作用し,血中リンパ球減少を引き起こすことで免疫抑制作用を発揮する。多発性硬化症以外の適用も期待されている薬剤である。
本稿では,近年注目される2つのリン脂質メディエーターであるLPAとS1Pを取り上げ,血管機能における役割,メタボリックシンドロームとの関連について紹介する。
1 血管とリン脂質メディエーター
1.LPAによる血管新生
ATXは,がん細胞が自分自身で分泌するオートクリン運動能促進因子の1つとして同定された1)。その後,ATXを過剰発現させたRas形質転換NIH3T3細胞を用いてマトリゲルプラグアッセイを行ったところ,ATXを過剰発現させていないRas形質転換NIH3T3細胞に比べ,マトリゲル内の血管新生が亢進していることがわかった2)。また,精製したATX蛋白をマトリゲルに入れ,マトリゲル内の血管新生を観察したところ,血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor;VEGF)含有のマトリゲルと同等の血管形成が観察された。これらの結果は,ATXが細胞遊走因子であると同時に血管新生促進因子であることを示していた。
その後,ATXがLPCからLPAを産生する活性を有していること,ATXはLPAの産生を介し,LPA受容体を刺激することでがん細胞や線維芽細胞の細胞遊走を促進することが明らかにされた3)4)。さらに,ATXノックアウト(KO)マウスは卵黄囊,胎盤,胎仔自身に血管形成異常を伴い,胎生期10.5日目付近に致死であることがわかった5)。また,ATXのLPA産生活性に重要な209番のスレオニンをアラニンに置換し,酵素活性を示さない変異ATXノックインマウスが作製された6)。このノックインマウスもグローバルKOマウスと同様な表現型を示し,胎生致死であった。これらの結果は,ATXの血管新生作用にはATXの産物であるLPAが重要な働きをもつことを示している。しかし,現在までにLPA₁~LPA₄の各KOマウス,LPA₆の欠損者が報告され,また,LPA₁~LPA₃のトリプルKOマウスが生存可能であると報告されており,ATX KOマウスと同様な血管形成異常を示していない。したがって,ATXにより産生されたLPAがどのLPA受容体を介し,血管形成が制御されるかについては未解明である。LPA₄ KOマウスは出生後,生存可能である個体も存在するが,胎生期のさまざまな時期に出血や浮腫を伴い致死に至る個体が存在する7)。これらのマウスは,平滑筋細胞や周皮細胞の血管への動員に異常を示している。しかしながら,LPA₄だけではATX KOによる血管形成異常を説明できないことから,LPAによる血管新生作用はLPA₄以外の他のLPA受容体(LPA₁~LPA₃,LPA₅,LPA₆)の関与が示唆されている。
2.S1Pによる血管形成
S1Pも受容体や産生酵素の研究から,LPAと同様に血管形成に関わっていることが明らかとなっている。S1P₁ KOマウスは血管を平滑筋細胞が覆う成熟過程に異常をきたし,胎生期12.5日目以降に胎仔からの出血が観察され,14.5日目までにすべての胎仔が死亡する8)。さらに,S1P₂,S1P₃とのダブル,トリプルKOマウスも作製されており,これらのマウスはS1P₁ KOマウスに比べ,より重篤な出血を引き起こす9)。さらに,S1Pの産生酵素であるSphK1,SphK2のそれぞれの単独のKOマウスは外見上正常であったが,ダブルKOマウスはS1P受容体KOマウスの表現型と類似した胎生期の重篤な出血を起こし,胚致死であった10)。このことから,SphK1,SphK2により産生されたS1PがS1P₁~S1P₃を含むS1P受容体を介して血管の成熟過程(平滑筋細胞の動員)を制御していると考えられる。また,培養血管内皮細胞や平滑筋細胞を用いた研究から,S1Pは細胞接着因子カドヘリンの機能を亢進することで内皮細胞間,内皮細胞と平滑筋細胞間の接着を強めていることも明らかにされている11)。S1Pは,生理的状況下での血管形成だけでなく腫瘍の血管形成にも関与している。一部のがん細胞でSphK1の発現が上昇していることが報告されており,実際に抗S1P抗体やFTY720(S1P₁のインタナリゼーションを引き起こし,S1P₁シグナルを阻害する)投与で腫瘍の血管新生が抑制されることが報告されている12)13)。また,VEGFや線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor;FGF)により誘導される血管新生も抗S1P抗体やFTY720投与により抑制されたことから,S1PはS1P₁を介して腫瘍の血管新生を促進しているものと考えられる。
上述したように,LPAもS1Pも生理的状況やがんなどの病理的状況での血管新生を促進する働きをもっており,これら産生酵素の阻害薬,受容体のアゴニスト,アンタゴニストは新たな抗がん剤や虚血性疾患の治療薬になる可能性を秘めている。循環系に多く存在するLPAとS1Pが血管系の制御においてどのような役割を分担しているのか,今後の興味深い課題である。
3.LPAと動脈硬化
動脈硬化は内皮細胞の機能障害,動脈への脂質の沈着,血管の炎症,平滑筋細胞の増殖による新生内膜の形成によって生じる。最終的には,心筋梗塞や狭心症などの疾患を引き起こす原因となる。LPAをラット頸動脈に持続投与することで,バルーンなどの血管障害による内膜形成モデルに比べ,ヒトの動脈硬化層の病変と組織学的によく似た内膜形成がみられることが報告されている14)。実際にLPA,特に不飽和結合を有する脂肪酸含有LPAは,in vitroで平滑筋細胞を脱分化・増殖させる作用が報告されている。循環系において,LPAはさまざまな経路で産生されることが知られるが,特に血小板の関与が大きいと考えられている15)。実際,血小板活性化は動脈硬化進行の危険因子である。動脈硬化部,血管損傷部位では血小板が活性化することが知られており,このような場で産生されたLPAが動脈硬化の進行に深く関与するものと考えられる。さらに,頸動脈の傷害により引き起こされる新生内膜形成はLPA₁,LPA₂のダブルKOマウスで抑制されること16),LPA₁~LPA₃受容体の阻害薬であるKi16425投与によって抑制されることが報告されている17)。この報告では,LPAシグナルが動脈においてケモカインであるCXCL12の発現を上昇させ,その受容体であるCXCR4を有する骨髄由来の平滑筋前駆細胞が傷害部位に集積することで新生内膜形成が進行すると予想されている。また興味深いことに,アポE KOマウス血管障害モデルにおいて,LPAを分解する活性をもつ6回膜貫通型蛋白質であるLPP3の平滑筋細胞での発現が上昇しており,平滑筋細胞特異的にLPP3をノックアウトすることで新生内膜形成が促進されることが最近報告された。このことから,生体内では平滑筋細胞はLPA分解酵素であるLPP3を発現することで,LPA依存的な脱分化・増殖を抑制している可能性が考えられる(図3)。
2 メタボリックシンドロームとリン脂質メディエーター
メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)とは,内臓脂肪型肥満に加えて高血糖,高血圧,脂質異常のうちいずれか2つ以上を併せもった状態をいう。血圧の調整や血糖,肥満とリン脂質メディエーターであるLPA,S1Pとの関連を以下で述べる。
1.LPAによる血圧変動
LPAは,現在までにさまざまな生理的・病理的な機能をもつことが明らかになっているが,LPAは当初,大豆レシチンに含まれる昇圧作用をもつリン脂質として同定された18)。その後の研究により,動物種によってLPAは血圧に関して相反する2つの作用をもつことがわかった。ラット,モルモットではLPAの静脈内投与により昇圧作用がみられるが,ネコやウサギでは逆に降圧作用がみられる19)。それに加え,マウスに対してはLPAを静脈内投与すると血圧がいったん降下(降圧)した後,一過的に大きく上昇(昇圧)するという二相性の反応が起こることが見出されている。これらの応答はLPAの脂肪酸種に大きく影響され,不飽和結合をもつLPAが高い活性を示す。これらの現象にどのようなLPA受容体が関与するか,興味深い。
2.LPA産生酵素ATXと脂肪細胞
最近,脂肪細胞にATXが高発現しており,さらに肥満モデルマウスであるdb/dbマウスの脂肪組織や各臓器でATXの発現量が上昇していることが明らかになった。加えて,他の肥満モデルであるGTG(gold thioglucose),HFD(high-fat diet)マウスでは脂肪細胞におけるATXの発現量はほとんど変化がなかったこと,GTG,HFDマウスに比べdb/dbマウスはインスリン抵抗性が非常に高いこと,糖尿の症状を示している肥満患者の脂肪組織では,糖尿の症状を示していない肥満患者に比べてATXの発現が高いことから,脂肪細胞のATXの高発現がインスリン抵抗性を上昇させている可能性が示唆されている20)。
3.S1Pによる血圧変動
S1Pの血圧調節における機能は,まだ不明な点が多いが,S1Pの静脈への単回投与により,一時的でわずかな血圧の減少がみられる21)。しかしながら,持続的なS1P投与では血圧が上昇するという報告もある22)。
In vitroの解析から,血管内皮細胞にはS1P₁,S1P₃が主に発現しており,S1P₃-Gqシグナルの下流で細胞内カルシウムの上昇が起こり,内皮型一酸化窒素合成酵素(endothelial nitric oxide synthase;eNOS)の活性化を引き起こすことがわかっている23)。さらに,S1P₁とS1P₃はGiにも共役し,PI3K-Akt経路を活性化することでeNOSをリン酸化し,eNOSのカルシウム感受性を高める。平滑筋細胞ではS1P₂,S1P₃が主に発現しており,これら受容体の下流でRhoが活性化し,平滑筋細胞の収縮が引き起こされる。以上をまとめると,S1Pは血管内皮細胞には拡張性の反応を引き起こすが,平滑筋細胞には収縮性の反応を引き起こすという逆の作用をもつことがわかる(図4)。
また,S1P受容体の選択的アゴニスト,アンタゴニストやS1P受容体欠損マウスを用いた血圧変化の解析はほとんど報告されておらず,生体内で各S1P受容体が血圧の調節に関してどのような機能を担っているのかは明らかになっていない。
4.S1Pによるサイトカイン誘導性β細胞アポトーシスの阻害
1型糖尿病は,β細胞が何らかの理由で死滅してしまい,インスリンの分泌が極端に低くなるか,全く分泌されなくなることで生じる病気であるが,原因はいまだ明らかになっていない。可能性の1つとして,発症にはいくつかのサイトカイン(インターロイキン(interleukin;IL)-1β,インターフェロン(interferon;IFN)-γ,腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor;TNF)-α)が関与しており,これらサイトカインがβ細胞のアポトーシスを誘導し,膵島を破壊することが考えられている。S1Pは,このサイトカイン誘導性のβ細胞のアポトーシスを抑制することが知られている(図5)。
ラットを用いた実験から,S1P投与によりサイトカイン誘導性のβ細胞のアポトーシスを部分的に抑制することが明らかになっている。S1P受容体選択的アンタゴニストや阻害薬を使った研究から,S1PがS1P₃を介してホスホリパーゼC(phospholipase C;PLC)を活性化させ,サイトカイン誘導性のβ細胞のアポトーシスを抑制している可能性が示唆されている24)。
おわりに
本稿で述べたように,LPA,S1Pはさまざまな生理機能・病理的機能を有している。しかしながら,これらのリン脂質メディエーターはその産生酵素,受容体,輸送体,分解酵素が近年明らかになったばかりであり,その詳細な機能の解明はあまり進んでいない。S1Pに関しては,最近,ゼブラフィッシュの遺伝学を駆使してSpns2と呼ばれるS1P特異的なトランスポーターが同定されている25)。細胞内で合成されるS1Pが細胞外で機能するためにはS1Pは細胞外に放出されなくてはならず,Spns2はこの機能を担っている。ゼブラフィッシュSpns2にはほ乳類ホモログが存在し,ゼブラフィッシュSpns2と同様に,S1Pを細胞外に放出する機能をもっている。今後の解析により,産生酵素や受容体だけでなくS1Pに関してはトランスポーターの解析が進むことで,LPAやS1Pの詳細な生体内機能が明らかになるだけでなく,これらリン脂質メディエーターを標的とする治療薬の開発がさらに進むことが期待される。
文 献
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東北大学大学院薬学研究科分子細胞生化学分野
雪浦 弘志 Hiroshi Yukiura
東北大学大学院薬学研究科分子細胞生化学分野教授
青木 淳賢 Junken Aoki