【特集 造影剤腎症】
造影剤腎症の予防法:輸液,薬物,透析
掲載誌
Nephrology Frontier
Vol.12 No.3 42-45,
2013
著者名
小松 康宏
記事体裁
抄録
疾患領域
腎臓
診療科目
腎臓内科
/
泌尿器科
/
放射線科
媒体
Nephrology Frontier
「SUMMARY」造影剤腎症を予防するために様々な予防法が試みられてきた. 現時点で有効性が確認されているものは, (1)ヨード造影剤を使用しない, (2)造影剤を使用する場合には必要最小量とする, (3)生理食塩液ないし等張性炭酸水素ナトリウム液による造影剤投与前後の輸液療法, である. 予防的血液透析療法, N-アセチルシステイン, スタチン, ビタミンC, hANPなどの薬物的予防法の有効性は証明されておらず, 一般的な使用は推奨されない. 「I. はじめに」造影剤腎症(contrast induced nephropathy:CIN)の発症機序はまだ十分には解明されていないが, (1)造影剤による直接の尿細管毒性, (2)造影剤による血管収縮と腎髄質の低酸素状態が想定されている1)2). 遊離ヨードイオンは消毒薬として使用されるが, それ自体が細胞毒性を有している. 尿細管管腔内で尿が濃縮されるにつれて, 造影剤, ヨード濃度が血中の何十倍にも増加する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。