全文記事
腎機能の新しい検査・新しい評価
血清シスタチンC
掲載誌
Nephrology Frontier
Vol.9 No.2 32-35,
2010
著者名
清水 芳男
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
糖尿病
/
腎臓
診療科目
一般内科
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循環器内科
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腎臓内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
/
小児科
媒体
Nephrology Frontier
「SUMMARY」シスタチンCは, 新しい内因性の腎機能マーカーとして期待される分子量13.25KDaのポリペプチドである. 性別, 筋肉量などの諸因子の影響を受けず, 年齢にかかわらず恒常的に産生され, 糸球体で完全に濾過された後, 99%が近位尿細管で再吸収されるため, 血中濃度が糸球体濾過量(GFR)を反映する. 血清中のクレアチニン濃度は, ある程度腎機能が低下しないと上昇しないことに比べ, シスタチンCはGFR 70mL/分程度から上昇を始めるため, より早期の腎機能障害を反映し, 慢性腎臓病(CKD)の治療ガイドラインの理念に沿う性質を備えている. また, 血清シスタチンCは, 心血管疾患のリスク予測因子として脚光を浴びている. 「I はじめに」血清クレアチニン濃度(血清Cr)は, 糸球体濾過量の大まかな指標として一般的に用いられているが, 血清Crにはクレアチニンブラインドエリアが存在し, 腎機能がある程度低下しないと上昇が認められない(図1)1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。