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炭酸ランタンへの期待
炭酸ランタンと血液透析
掲載誌
Nephrology Frontier
Vol.8 No.4 24-28,
2009
著者名
根木茂雄
/
重松隆
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
代謝・内分泌
/
腎臓
診療科目
腎臓内科
媒体
Nephrology Frontier
「Summary」炭酸ランタン(lanthanum carbonate)は非アルミニウム・非カルシウム性リン吸着薬であり, 透析患者において血清リン低下作用はアルミニウム製剤に匹敵するほど強力である. これまでの検討では, アルミニウム製剤で問題となった骨への蓄積性や中枢神経に対する毒性も認められていないが, 長期副作用は不明の部分が多く, 今後の課題である. 「I はじめに」血液透析患者は腎機能が廃絶しているため, 腎臓からのリン(P)排泄がなく, 必然的に高P血症が生じる. 高P血症は二次性副甲状腺機能亢進症を危険因子のみならず, 最近では血管の石灰化の発症・増悪因子であることも多くの検討1)から明らかになってきた. したがって, 高P血症の治療は血液透析患者の生命予後の面からも非常に重要な問題である. 高P血症の治療は, 食事療法, 血液透析による除去, P吸着薬の3つで成り立っている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。