新刊
小児に多い耳鼻咽喉科疾患
耳領域 先天性中耳真珠腫
掲載誌
鼻アレルギーフロンティア
Vol.25 No.2 27-29,
2025
著者名
山本 裕
記事体裁
抄録
疾患領域
耳鼻科疾患
診療科目
耳鼻咽喉科
媒体
鼻アレルギーフロンティア
先天性中耳真珠腫(以下、先天性真珠腫)の本態は、鼓膜や外耳道皮膚と連続性をもたない中耳腔内の角化重層扁平上皮であり、胎生期に角化重層扁平上皮が中耳腔に遺残、または迷入することにより生じると考えられている。角化物を産生しながら発育し、周囲の骨組織を破壊する。上皮が球形となり内部に角化物をためるclosed typeと、シート状で外側に角化物を排出するopen typeに分類される(図1)。
鼓膜や外耳道の扁平上皮が中耳腔に陥入して生じる後天性真珠腫とは区別されるが、進展例では上皮が破綻し外耳道に交通すると、後天性真珠腫との鑑別が困難となることもある。本稿では、本症の臨床像、診断、治療、予後について概説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。