新刊
座談会 Round Table Discussion
舌下免疫療法10年の進歩
掲載誌
鼻アレルギーフロンティア
Vol.25 No.2 7-14,
2025
著者名
大久保 公裕
/
米倉 修二
/
湯田 厚司
記事体裁
抄録
/
座談会・対談
疾患領域
アレルギー・免疫
/
耳鼻科疾患
診療科目
アレルギー科
/
耳鼻咽喉科
媒体
鼻アレルギーフロンティア
アレルゲン免疫療法は唯一、根治が見込める治療法として鼻アレルギー診療の治療戦略において有用な治療選択肢となっています。国内においては1960年代から皮下免疫療法(subcutaneous immunotherapy:SCIT)の導入が進み、その有効性については評価が確立しています。しかし、アナフィラキシーなどの重篤な副作用への懸念や患者負担が重いことなどから、代替投与ルートとして1980年代から舌下免疫療法(sublingual immunotherapy:SLIT)の研究・開発が進められました。わが国では2000年代から医師主導による臨床研究が進められ、2014年にはスギ花粉症に対するSLIT、2015年にはダニによる通年性アレルギー性鼻炎に対するSLITが保険適用となり、臨床で使用できるようになりました。この10年間で、その有効性や安全性に関するエビデンスがさらに集積され、日常診療への導入も進みつつあります。しかし、その普及や臨床評価の確立には課題も残されています。本座談会では、国内におけるSLITの開発経緯から実臨床における評価、次の10年に向けた課題や将来展望などについて討議していただきました。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。