アレルゲン免疫療法(allergen immunotherapy:AIT)は、鼻アレルギー診療ガイドライン1)で全ての病型病態に推奨されているように、アレルギー性鼻炎治療の一つの柱である。AITは100年を超える非常に長い歴史があり、1911年にNoonが花粉症に初めて行った症例報告2)に始まる(図1)。本邦では1963年に皮下免疫療法(subcutaneous immunotherapy:SCIT)のハウスダスト治療液が発売され、1969年にスギ花粉SCIT治療液が発売された50年以上の長い歴史がある。日本アレルギー学会の主導でアレルゲンの標準化が行われ、2000年に含有アレルゲン量を主要抗原Cry j 1濃度で統一規格したスギ花粉標準化SCIT治療薬が発売された。また、ハウスダストSCIT治療液は2014年にダニ単独アレルゲンの治療液となった。