「リアルワールドデータ(RWD)」とは,厚生労働省厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会の定義によれば,「実臨床の環境において収集された安全性・有効性の評価に活用できる各種電子的データ」を指す1)。また,米国食品医薬品局(FDA)の定義では,「様々なソースから日常的に収集される患者の健康状態および/またはヘルスケアの提供に関するデータ」を指す2)。いずれにせよ,正確には「医療に関するRWD」を意味する。なおFDAは,「RWDの分析から導き出された,医療製品の使用と潜在的なベネフィットまたはリスクに関する臨床上のエビデンス」を「リアルワールドエビデンス(RWE)」と定義している。RWDの具体的ソースには,①電子カルテ・診療報酬明細書(レセプト),②医薬品・疾病等のレジストリ,③先端的なモバイル機器で収拾される健康情報などがある。上記①の代表例としては,医薬品医療機器総合機構(PMDA)が構築したデータベースMID-NETが挙げられる。②については国内外で多くのレジストリが構築されている他,クリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN)のようなネットワーク化も進んでいる(日本再生医療学会が運用する再生医療等データ登録システムNRMDもCINに参加している)。
用語解説
リアルワールドデータ
掲載誌
再生医療
Vol.18 No.4 71-72,
2019
著者名
佐藤陽治
記事体裁
連載
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用語解説
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抄録
疾患領域
再生医療
媒体
再生医療
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。